小西さんからメッセージが届きました!

2021/4/28 [ BOOK , CD , KONISHI ]


小西康陽です。たいへんご無沙汰しています。みなさまお元気でしょうか。
 今年の1月からOLDAYSレコードで連続リリースしています【レディメイド未来の音楽シリーズ CDブック篇】の第4弾、題して『恋愛に倦きてしまった』をご紹介したいと思いまして。
 このCDブックのシリーズ、ご存じの方もいらっしゃるかも知れませんが、第1弾『夜遊びに疲れてしまった』はタイトルの通り、かつて渋谷オルガンバーをはじめ、小さな規模のクラブのDJの際に選曲していたトラックを集めたもの、第2弾『猫も杓子もツイスト』は1999年に100本限定で制作した『READYMADE WORLD OF TWIST』というミックステープを復刻、一部楽曲を差し替えてCD化したもの、そして第3弾はDJ・三浦信さんに選曲・監修をお願いしました『わたくしのサン=ジェルマン=デ=プレ』、というラインナップでリリースして参りました。
 ここまではやはり、かつてクラブでプレイしていた楽曲を中心に据えて、沢山の人と音楽の楽しさを分かち合う、という趣旨の選曲でしたが、きょう、ここにご紹介致します『恋愛に倦きてしまった』は、どちらかと言いますと、ひとりの時間に、あるいはおだやかな気分でいたいときに聴いていただきたい、と考えて選んだ楽曲ばかり、それでとくにこの場をお借りして、ピチカート・ワンのリスナーの方々にお報せしたい、と考えました。
 CDブックに書きました話と重複致しますが、ある日、いつも行く「シネマヴェーラ渋谷」という大好きな名画座で、上映の前にピチカート・ワン『わたくしの二十世紀』の中の「あなたのいない世界で」という曲が劇場内で流れていて、なにかひどく恥ずかしい気持ちになって、それからしばらくして、いつか好きな映画館で幕間の時間に流れていたら美しいだろう、と思える楽曲を集めたコンピレイションを編んでみよう、と思い立ちました。
 そんなわけで、じぶんの考えるロマンティックな楽曲、映画館で過ごす時間にふさわしい楽曲ばかりを並べましたので、ブックレットの方も「恋愛」と「映画」に関する文章を集めました。
 まず「恋愛」に関する読み物は吉田音さんの『恋よ、さようなら』、そして大場純子さんの『「ヤング・ラヴ」』という2本の書き下ろしストーリー。大場純子さんは以前より渋谷の名画座でときどきお目にかかる方で、思い切って原稿をお願いしました。そして吉田音さんは、ぼくのいちばん好きなある文筆家のペンネーム。読めば、たぶんお分かりになると思います。
 そして「映画」に関する文章は、よく都内の名画座でお目にかかる「映画ファン」「映画好き」「映画愛好家」の方々に依頼した【わたしの好きな恋愛の映画】というアンケート特集。ご回答くださいましたのは、おくあきけん氏、「トラベシア」鈴木並木さん、「ラピュタ阿佐ヶ谷」石井紫支配人、「シネマヴェーラ渋谷」内藤由美子支配人、「ORGAZM」遠藤倫子さん、田旗浩一さん、寒空はだか氏、上馬場健弘さん、朝倉史明さん、「名画座かんぺ」のむみち氏、「Upstair Records & Bar」永友慎さん、「国書刊行会」樽本周馬さん、それに編集スタッフよりK・Y生、の13人。みなさん、見事にバラバラなセレクトで素晴らしいです。
 さらに大江田信さん、小梶嗣さんによる連載もいよいよ佳境、読みごたえあり。そして本誌初の読者モデル? 小方俊也さんが「恋愛に倦きた男」に扮して表紙を飾ってくださっています。
 ピチカート・ワンはこのコロナ禍の中、東京都の要請に従いまして、昨年よりずっと活動自粛中ですが、もちろん日々、いや、ときどき、これから作りたい音楽のことを考えております。またお目にかかりますまで、どうぞみなさまお健やかに。(K・Y生)

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