ユニバーサルミュージック斉藤嘉久さんによる、東京公演ライヴ評をご紹介します!
アルバム『失恋と得恋』発売記念ツアー、大阪公演はいよいよ今週金曜、福岡公演は来週土曜と迫ってまいりました!
本日は、小西康陽 / PIZZICATO ONEのレコーディングディレクター、ユニバーサルミュージック斉藤嘉久さんによる東京公演ライヴ評をご紹介します。
アルバム『失恋と得恋』発売記念ツアー、大阪公演はいよいよ今週金曜、福岡公演は来週土曜と迫ってまいりました!
本日は、小西康陽 / PIZZICATO ONEのレコーディングディレクター、ユニバーサルミュージック斉藤嘉久さんによる東京公演ライヴ評をご紹介します。
昨年11月末に丸の内コットンクラブで開催された「小西康陽 東京・大阪・福岡」。場内は2ステージとも補助席が出るほどの盛況ぶり。その観客のほぼ全員が、アルバム『失恋と得恋』収録曲がメインの演目になると思っていたはずだけど、その予想は覆された。
もちろんアルバム収録曲も歌われたのだが、MCで小西さんが話していたように、アルバムのレコーディングが全て終わったあとに、あるきっかけで出会った言葉をもとに付けた『失恋と得恋』。そのタイトルであるならばアルバムに収録したかったというナンバーを取り入れたセットリストは、アルバムの世界を補完、あるいは更に進化させたものだった。
アルバムには未収録の数々のピチカート・ファイヴのナンバーが新たなアレンジで歌われるのを聴きながら、これならもう一枚アルバムが作れるな、そう思ってしまったのは完全に職業病だ。
私は両方のステージを観たが、強く心に残ったのは、小西さんのヴォーカルの印象が異なっていた点。ファーストステージはくぐもった寂しげな印象。セカンドステージは輪郭のはっきりした力強い印象、とでも言えばいいか。おそらく後者は、ファーストステージを経て心身ともに少しリラックスしたせいもあると思う。でも、だからといってセカンドステージの方が出来がよかったということでもない。演奏された曲に通底する寂寥感を味わうという意味ではファーストステージに軍配があがる。
大阪・福岡ともに2ステージ制なので、できることならば両ステージをご覧になることをおすすめする。アレンジとバンドの演奏の素晴らしさはもちろんのこと、その上で紡がれる小西さんの”うた”は、アルバムよりも生々しく心に響くはずだから。
斉藤嘉久
ユニバーサルミュージック
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